日本コスメ業界の伝説、「頼まれても売らないサロン」

日本コスメ業界の伝説、「頼まれても売らないサロン」

「本当に納得していただいてから、買っていただきたい」という信念のもと、「サロン」という名の体験イベントを開催していたコスメデコルテ。このサロン、簡単には商品を売らなかったそう。当時を知る営業統括・熊田専務がそのワケを教えてくれました。

 

一流ホテルの会場を借りての体験会。
本当にそれ「だけ」でした。

 

熊田さん:「化粧品は実は“半製品”でしかない。お店の人がカウンセリングをして、お客様が納得して、肌に合うものを渡して、使い方を伝えて初めてそこで“製品”になる―これが、コスメデコルテを立ち上げた当時の小林孝三郎社長の信念でした」

 

45年の昔を懐かしみながらこう話すのは熊田専務。コスメデコルテを扱う全国の化粧品専門店の営業担当ン十年らしく、びしっとスーツが決まっています。

 

熊田さんはコスメデコルテと専門店の歴史を一番良く知る人物

 

熊田さん:「コスメデコルテはね、スタートした当時から『ぜひお店に置きたい』という声が引きも切らなかったんです。でも小林社長の信念で、本当にじっくりこのブランドを育てようとしていたもんだから、扱い店を相当厳選していました。そして化粧品店さんと一緒に『販売なしのサロン』を一流ホテルの会場を借りて開催し、そこでまず商品のよさを知っていただく会をやっていたんです」

 

なるほど、それが「売らないサロン」なんですね。でもどうしてまた売らなかったんでしょう? お手入れされてお肌がツルツルになったら、つい商品欲しくなっちゃうのが人の常。そこが売りどきでは?

 

熊田さん:「それはね、売上はとれるかもしれないけど、信用はなくなるからね。『化粧品を買わされる』と思ってたら気軽に足を運べないでしょ?」

 

なるほど、本当に徹底しています。

 

コスメデコルテは化粧品界の「巨峰」です!?

 

その伝説のサロンの内容は、というと「1—2時間かけて、商品を使ってお客様の施術をしたり、使い方を指導したり」というかなり本格的なエステだったそう。しかも商品は売らない。置いてない。

 

熊田さん:「だからね、あとでお客様が自主的に買いに来るんです。『あのとき使った商品が欲しい』ってね。そういう口コミで45年かけてじわーーーーっと大きくなっていったのがコスメデコルテなんですよ」

 

いや、本当に気長なブランドと言いますか、人が良すぎます。と、突然熊田専務がニコニコと言います。

 

熊田さん:「コスメデコルテはね、果物に例えると巨峰だと思うんですよ」

 

??? よくわからないので、もう少し詳しく話してください。

 

熊田さん「スイカではない。つまり、マスプロダクツではないってことです。ひとつひとつの房を丁寧に育てていく。ひとつひとつのチャネルがお客様に適したブランドづくり、というわけです。化粧品の歴史はそもそも化粧品専門店とともに始まったので、昔は1万2千軒あったんですが、流通革命が起き、ドラッグストアがどんどん出来てきて、店舗数も少なくなってきています。でもそのとき、おつきあいのある専門店さんが言ったのは『コスメデコルテを販売していてよかった』ということ。お客様とじっくり向き合うブランドですから、お客様と絆が深く、人と人との接点があったブランドだったため、ドラッグストアの進出後もあまり影響がなかったんですね」

 

1970年デビュー当時の商品たち。この時代からカウンセリング重視の姿勢は変わっていません

 

お客様と、とことん付き合う化粧品専門店、とことん向き合うコスメデコルテ。45年たった今でも変わらないことが頼もしいですね。

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